「不景気が少子化を呼び、少子化が不景気を呼ぶ。養育費高騰を抑えるため子供の数を出来るだけ少なくし、それが将来的に労働力不足にも繋がる」
「この不景気の下、結婚する人がいないわけではない。男女格差がある程度是正された現在、共働きという選択肢もある。若い歳で結婚し、家庭を築いた人はあなたの周りにもいるはずだ」
「もし一つ原因を挙げるのならば『便利になりすぎた社会』ではないだろうか。それが収入格差に関わらないというのが問題なのだ」
低所得者は稼ぎは少ないが、デフレで安い物が出回り、娯楽もある程度まで絞れば一人暮らしは不可能ではない、という考えがある。氾濫したネットポルノで性欲処理も困らない」
「中〜高所得者は、毎日長時間労働や残業で忙しいが、家電は便利で家事に昔ほど時間を取られず、食事も外食で賄える」
「趣味や独身生活を謳歌したい、という考えはどちらにも共通するだろう。だが本当にそうなのだろうか」
「結婚したい人、したいが出来ない人、いつでも結婚出来るがしない人、結婚したくない人。種類は沢山いるが段々と後者にシフトしているのではないだろうか」
「便利であるということは、それだけ人が関わっていた仕事を取り上げることと同義だ。日本のように男が外で働き、女が家を守るという風潮があった国では、便利になったことで不必要になったものが沢山出てくる。その流れで女性が社会進出したが、不景気はすでに始まっていて、男が受け持っていた『労働』のパイを奪うだけになってしまったのだ。現在の男性は、略奪行為に対して反逆するように女性を見ているのではないかと疑いたくなるほど、各種メディアの扱いを視聴して思う。日本女性はこんなものではなかった、と」
「あまりにも便利になりすぎて、配偶者の存在が『いてほしい』から『いてもいなくてもいい』、更には『いないほうがいい』に進化してしまう日はそう遠くないかもしれない」
byポルト玄蔵氏著『不貞腐れる現代』より抜粋