生きてゆくことが。

「日本は他の先進国に比べて国民の祝日が多い(州制を執る地域はさらに増えるのだが、それでも日本は多い)。他国に比べて多い祝日、ゴールデンウィーク、今年に至ってはシルバーウィークまであります。ハッピーマンデーで三連休も増えました。だがその分の仕事は普段に回り、普段の『日常』の余裕をなくしているのではないでしょうか」
「それでも先進国たる技術や経済力を維持できるのは日本人の努力の賜物ではないかと言う方もいるでしょうが、私はどうもそこまで考えが及ばないのです」
「普段が切羽詰っているから、祝日もせかせかと、どこぞに旅行しなければならない、おいしいものを食べに行かなきゃいけない、楽しまなきゃいけない。そんな強迫観念を持ってしまう」
byガオグライ・ワンカップミノルタ氏著『日本の疲弊』より抜粋


個人的雑感として。
日本の悪いところは、そこでさらに商売の裾野を広げたことなんですよね。土日や祝日に人の流れが増えたから、商業施設は数多く建てられるし、その土日に働く人の休みは平日だから平日も稼動する小売店。今、大手スーパーやファミレスで平日休んでるところなんてまず無いですから。生活圏にある某イオン系のも、昔は水曜だかお休みでしたし。


こう著しながら氏、
「しかし、休暇、いわゆる年末年始、夏季、黄金週間など長期休暇(国民の祝日を含んだ長期にわたるもの)に関しては先進国に比べて圧倒的に水準が低い。このあたりは、労働者の権利獲得の歴史の問題が絡むから難しい話ではあります。フランスでは一ヶ月ほどの長期休暇は当たり前ですから」
「有給休暇なんてほとんど取れない、なんて人はあなたの周りにもいるはず」
「そう考えると、結局日本人は休めていないのです。小売・飲食にゴールデンウィークはないですしね。それに、前述のように今の日本の休日は休みと呼べるものでもない。祝日には意味があるのにただただ休日でしかない」
「この矛盾が、日本の労働と経済の歪みであり、効率よい産業を構築しているように見えて、人間にとっては非常に耐え難い痛みなのです」