ニートはやる気が無い、だからニートなんだと言う人はたくさんいる。だがやる気が無いのは何故だと聞かれたら、答えに詰まるだろう」
「もちろん答えをひとつに絞るのは難しい。進学就職失敗によるやる気の喪失、過酷労働のトラウマなどあるが、総じて『目的の喪失』である」
「また、二種類に分かれる。一つは『やりたいこと』である。欲しいもの、叶えたい夢など、ずっと後に叶うことでも明日にでも買えるものでもいい」
「もう一つは『やるべきこと』である。仕事を辞めてニートになった人はやるべき業務が無くなる。進学を失敗した人は勉強をする必要が無くなる」
「『やるべきことの喪失』の方が実は救いはある。貯蓄が無くなれば働くか親にすがるか動きがある」
「『やりたいことの喪失』は重症である。やるべきことすら生み出せない。だが大抵のニートはこちらである。そして大概は過去を遡って目的意識を与えられて生きてこれなかった場合が多い」
「これをしたら親に褒められる、これをすれば夢に前進するという、人間の基本的なモチベーションを培ってこれなかったのだ。小中くらいまでならそれでもうまく生きれるが、高校以降のある程度精神が作られた段階で自分にモチベーションが無いと気づいた場合は絶望的だ」
「最近の日本は悉く目的意識を喪失しやすい社会になっている。戦後しばらくは日本を復興させよう、よりよい生活をしようという考えが国民にあった。バブル以降は金稼ぎを良しとしない風潮が広がり、それが国民のやる気に直結している気がしてならない」
byガオグライ・ワンカップミノルタ氏著『日本人のSAN値を削ったのは誰か』より抜粋


震災でがんばって復興しようというモチベーションも、原発でおじゃんになったよなあ。