バックストリート。

アメリカコンプレックスみたいな感じな言い方になってしまいますが、アメリカってすごいと思うわけですよ。何がって言うとパソコンのソフトの話、ことフォトレタッチソフトに関してですが。
『選択範囲を指定』というコマンドがあるわけです。ドローで範囲を指定したり、自動的に枠線の中を指定したり。デジ絵を描く人なら使わなくても当然知っている機能です。
今でこそ、ほとんどのレタッチソフト、ドローソフトなどについているわけですが、これってよく考えたらすごいことじゃないですか?たとえば普通にイラストを描くにしても、一発描きだったり厚塗りをするわけです。以前はドット絵というのがあり、懐古派の人ならスーファミRPGのモンスターの絵なんかは職人芸と呼ぶこともあるわけです。その労力たるや、普段にイラスト描いている人間からすると頭が下がります。
無論、選択範囲なんかは『マスキング』とか、実際の絵で使われるような技法から考えられたんだろうなーとは思うわけですが、まずそうしたことをパソコン上で再現すれば、イラスト、写真加工が楽になるんじゃね?って考えられるのが欧米だなあと思うわけですよ。
根性論なんかは、今でこそ段々聞かれなくなりましたが、やっぱり日本人には根付いているわけですよ。根性と職人の感覚でドット絵を描く。別にこれ自体を諸外国は否定していない(むしろ賞賛している)んですが、「まあそこまでうちはやる必要はないよね」とは考えているんじゃないでしょうか。技術の伝承とかそれをものにするまでの時間とか考えると、尋常じゃない労力がかかるわけですからね。
『日本は最大限の成果を出す、欧米は努力あたりの成果を最大にする』ってのは某スレのお言葉ですがこれに則った話はいつも蚊が焼いていてね。 - ブアカーオ・サクラチップのBSスタイルズ。を参照。
閑話休題
パソコン上でイラストを描くなんていう発想はどこで生まれたかは知りませんが、この技術の進歩って言うのは、日本の絵の技術を底上げしたとは思います(かつてのようにコピックやらイラストのための道具を揃えなくてもよくなったことはそうなんですが、まあある程度のスペックがないとソフトの動作も不安定なんで、環境を揃えることに関しては金銭面ではあまり変わらないかも)ただ絵師自体も増えたわけで、実際に生き残れるかは別の話で・・・そんな中で生き残れる絵師っていうのは何かを持っているか、やはり日本人的に職人肌の高レベルな作品を出しているのかなあと思ういます。そのあたり欧米文化との兼ね合いって言うのがちょっと面白いですよね。
日本はデフレデフレ言ってますが、実際それは『価値あるもの』が今だ日本には多いわけで、相対的に見ると下げざるを得ないのかなあとも思います。保守的ともいえますが。

ちなみに自分は、本当に選択範囲云々がアメリカンが考えたかは知らないってオチ。