いつも蚊が焼いていてね。

労働に関する興味深いブログがあったので、ちょっと思案。


日本人は概して働きすぎと言われる(週五十時間以上労働者の割合が世界最多、すなわち残業)。それがまあ個人経営の店なら好きに残業なり営業出来るわけだが、そうでないほうがおそらくは大多数かと。
アメリカも、実は残業自体は欧米では多いほうだが、サービス残業ではないだろう。ていうか労組が訴える。アメリカ人も働いてるんだよ的著書もあるのだが、海外の祝日数が少ないとか悪い点だけ記され、日本人もっと働けといっているだけのような気もする。
とまれ、今の日本はコンビニに限らず二十四時間経営のファミレス、漫喫だったり工場も稼動しっぱなし。いつでも何でも出来ちゃうんだが、これが生産性の低さだともいう。
世界的に見て、二十四時間フル稼働している工場が日本ほどある国があるのだろうか。上の著書でアメリカですら16時間(八時間×2のシフト)稼動の工場だ。そしてこれだけやっているにも関わらず、日本のGDPアメリカの三分の一。・・・人口が三分の一だからというのは理由にならない。残業やらサビ残やら使えない有給休暇やら休日出勤や二十四時間稼動の工場やらをフル活用して三分の一なのだ。何とも情けない気分になる。裏を返せば、欧米が日本と同じようなことをやったら日本は太刀打ちできないんじゃないかと。欧米の人は絶対やらないと思うけど(ちなみにこのGDP計算はあくまで『国』によるもので、一人あたまだと日本は悲惨なことになる)
欧米というのは効率よく物事を進めているのではないか、と考えられる。逆に言えば、日本があまりに効率悪すぎるんじゃないかとも。残業を重ね、家族サービスも出来ず、家庭内教育も出来ず。社会全体的に見てもあまり良いことじゃない。
日本というのは、職人による技術の向上、引継ぎや集約によって世界トップクラスに上り詰めた。『技術力』であれば日本は間違いないし、技術はコピーしてもそれを生かせる施設が無ければ意味が無いのだから。ただ、効率性生産性となるとどうしようもない。時間内に仕事を終わらせるための効率はガン無視だし、だったらもっと働けなんていう考えが蔓延しているのも事実。
件のブログに書いてあった面白いたとえがある。原文ママ
『ドーピングしまくりでがむしゃらに走ってるランナーが、軽くジョギングしてるランナーに余裕で走り負けてるようなモノ』



・・・という生産性みたいなものを、アニメを見て思ったわけで。
アメリカの劇場用アニメって、もうほとんどが(0年代入ってからは特に)3DCGじゃないでしょうか。これはあくまで自分の主観ですが、こちらのほうが『効率』が良いのではないかと思うんです。一見、レンダリングであったり、背景であったりを作るのはもちろん難しいのかもしれませんが、いったん雛形が出来れば、むしろ動画チームが大変なくらいで。もちろん、ピクサー社なんかも一年に一回の公開が限度みたいですが、それでも制作費を回収する収益は得ているので、やっぱり効率いいんじゃないのだろうか。
日本は、今でこそ3DCGは出てきても、劇場用アニメーションは変わらず手塗り(といってもコンピュータ上って意味で・ジブリは違うけど)。やっぱりある程度『職人芸』って見方をしてしまうなあ。0年代初頭から海外量産のアニメが出てきた中で、京都アニメーションが出てきてやっぱり技術主義っていうのがぶり返した感はある。
きっちりとした技術が、相応の価値で評価されるのが一番なんだが、日本の技術というのは安く買われている(もとい、自国内ですらそう評価している)気がするなあ。次々と出て新しい機能が付加され、型落ちは爆安で売られるのを見ると、いくら技術の進歩がめまぐるしいからといってやりすぎだと思う。一呼吸置けないのも日本人の悪いところかな。一呼吸すら置けないのかよって言われているようなもんだ。