楽しくお昼ね。

週刊漫画ってどうしても自分が書ける範囲の構図だったり、出来るレベルでの最高の描画をしなければならないわけですが、大抵の場合そこから描き易くかっこいい(もしくはかわいい)絵柄だったりを目指すわけです。多忙である以上、必然、あまり使わない(もしくは使ったことのない)大胆な構図や気合の入った絵柄というのはやりにくくなります。
とはいえ、例えば新人作家であれば、絵柄は様々な方向性に流れつつ型は出来ていくものです。一方でストーリーはさらにセンスが必要で、某富樫先生のように映画や小説など物語のプロットを勉強するなど、努力で積み重なるものでもあります。ということは、ストーリーを身につけるのには週刊漫画の先生には難しいことかもしれません。月刊漫画とは展開の仕方も異なってくるので一概には言えないことかもしれませんが・・・。
週刊漫画をマラソンランナーと例えてもいいかもしれません。プロのマラソンランナーはテレビを通して見ると分かりづらいですが、時速20km弱の速さです。流した自転車で10kmほどなので如何に早いか。ちなみに世界トップの短距離選手は40kmに満たないくらいです。レース後に倒れそうになる風景をマラソンや駅伝でよく見かけますが、それほど限界に近いことをやっているのです。波はあれど、短距離の半分ほどの速度を二時間以上続けるわけです。
週刊漫画で一瞬でも気を抜けばクオリティが落ち、人気低下につながる。ペースを誤れば途中棄権の可能性も出てくるのです。
矢吹先生は月刊に移動したわけです。月産でのページ数こそ減りましたがクオリティは上げ、これまでに無かった構図も見受けられます。もっとも、週刊
時代からのクオリティの高さ、単行本時修正量、休載無しなどを考えるとかなりの速筆だったとは思いますが。気を抜くとクオリティが低下しそうな中で更なる向上というのは怖いものです。まあ週刊漫画家は基本的に漫画世界でも化け物クラスと言えなくも無いですが。
裏を返せば、月刊でクオリティを上げられない(特に新人)のは困ったもの、ということでもあります。もしかしたら新人でもある程度出来上がっちゃったと考えたり、妥協したりするのは見る人も気づいてしまうものです。
非クリエイターから見ても感服できる作品というものを見たいものですね。