トンネルをすり抜けて。

「公務員はストライキが出来ない代わりに高い給料をもらっている。ただ、今の日本でストなんてまず起きない。他者大勢に迷惑がかかってしまうという日本人の気質もある。そこまで考えて述べるのであれば、公務員の給料を下げろという言い分も理解できる。そこまで考えていれば、の話だが」
「『代替が利く』というのも言いようで。今の飽和した日本で、例えば食品会社がストを起こして工場のラインが止まったとしても、消費者は(よほど製品のオリジナリティ・ネームバリューが無ければ)他の製品を購入するだろう。ネームバリューがあったとしても『なぜ生産を止めるんだ』と消費者からクレームすらきかねない。その上、流通が止まったとしても小売店には在庫があることがほとんどで、すぐに販売停止には至らない。無意味、いやマイナスに働くのである。どの産業が止まったとしても、今の日本人の気質からすれば『もう信頼ならない』と、次から受注が受けられなくなるだろう」
ライフライン関連のストは困りものだが、その時に白い目で見られるのは経営陣ではなく、ストを起こしている労働者のほうになるのが日本。民間人が『経営陣はさっさと給料上げてやれよ』とは思わないのだ」byガオグライ・ワンカップミノルタ氏著『経済の出先』より抜粋